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安藤正遵のインプラントヒストリー





“なんで、こんな事ができるのだ・・・?”

それは1枚のレントゲン写真から始まりました。
私は大学を卒業後、大学の先輩で虎ノ門の駅前で開業している先輩のもとへ勤めました。もう20年前のことですが、そこでは本当に初期のインプラント治療をごく少数ですがおこなっていました。 その後自分で東中野の地にクリニックを開くのですが、やはりインプラントを求める患者さんが一定の割合でいらっしゃって、その声に押されるようにITIというスイスのインプラントの研修を受け、私のインプラント人生の幕が開きました。
とはいえ、失敗だけはしたくない、との思いで症例は選びに選び、少しでも難しいと思えばすぐにもっとベテランの先生にお願いしていました。

そんな頃です。
冒頭の一枚のレントゲン写真に出会ったのは。
それは我々のレベルでは考え付かない素晴らしいインプラントのオペ終了後のレントゲン像でした。

しかもこの患者さんは25年前にオペをしたとの事。
“うそだ!

現在はインプラント専門外科医として名を成せているK君と同時に叫びました。あの頃はインプラントの黎明期で、WHO(世界保健機構)では
[インプラントは5年もてば成功とする]と明記してあった時代でした。

我々の大学の(東京歯科大学といいます)病理の先生たちも当時は“インプラント反対”の大合唱。まあ、それも無理はありません。
5年で取れてしまうのなら、それは身体にとっては異物でしかないのですから。しかし、25年も持てば、それは異物ではなく、立派な生体親和性(ずーっと身体に入れておけるもの)のある素晴らしい材料となります。

私はK君と
“これはもう行くしかない”

と話し合い、スウエーデンのイエテボリ大学にあるブローネマルククリニックの研修に行ったのです。今見ると随分若い、いや若造です。
しかし、我々は未知なる物を知る喜びと情熱で身体がはちきれそうでした。


外科の模型実習中。外科の主任Drフリーベリーと


インプラントベーシックコース修了証書授与式。於スウエーデンイエテボリ大学

 

え、?

クリニックはどうしたかって?もちろん閉めていきました。
だってDrは私1人でしたから。

イエテボリ大学は素晴らしかったです。
技術もさることながら、衛生士達のプロ根性がいい。Drの人間性がいい。
なによりみんなが仲よく、共同で協力し合ってよいものを患者さんに提供しようというチームワークがいい。
結局スウエーデンには合計4回も行くことになるのですが、ずーっとイエテボリ大学は私の目標となるクリニックでした。

その後、思うところあって、一時期は完全にインプラントから離れた時期もあります。
入れ歯を極めてみようと思ったのです。入れ歯を思い残すことなく勉強し終わって、またインプラントを再開し始めました。今はより一層インプラントの素晴らしさが分かります。
しかし、全身の症状や年齢などの理由で、インプラントができない人もいらっしゃいます。これらの方たちにはやはり入れ歯しか選択の余地がありません。
ですから私は今でも入れ歯も徹底的に勉強してとてもよかったと思っております。



私の口の中には、今インプラントが2本働いてくれています。
先ほどお話した、一緒にスウエーデンに勉強しに行ったK君に入れてもらいました。
それまでは、入れ歯が得意なこともあり、2本だけの小さな入れ歯を入れていました。

そもそも何故歯科医の私が、歯が悪いのか。

昔から歯は弱かったのですが、直接の原因は大学の先輩にレベルの低い治療をされたことでした。結局抜歯となったのですが、その後しばらくほっといたのです(すみません。こんな歯科医で)。

するとどうでしょう!

右でしか噛めないものですから、右のほっぺがどんどんふくらんできました。
まるで瘤取り爺さんです。

これはまずい!

“化け物の様な顔になってしまう”
あせりました。

まずはとりあえず、得意の入れ歯で当座をしのいでいました。が、
いつも意識が口の中にあるのです。

そうなのです。
私が日本一を目指した入れ歯は、やはり異物でした。
相当な違和感があるのです。
そのことをすぐに悟った私は躊躇なくK君に依頼をして、インプラントオペに踏み切りました。

結果は?

もちろんグッドです。
何より口の中のことをいつも忘れているのがいい!

これ、わかる人はわかると思いますが、ものすごく大きなことなのです。
それから私は再びインプラントに邁進することになりました。
そして今までの術式に改良を加え、痛くない腫れないオペを確立したのです。

 


かつて入れていた入れ歯

今の口腔内の横からの写真 


現在の私のレントゲン画像です

更に今までこだわりぬいてきた芸術的なセラミックスを加えて一連の術式を完成いたしました。
今後は、今まで習得した知識を総合的に活用し、私が誇りに思うスタッフ達のレベルを更に向上させ、患者さんにとって一番良い総合的なクリニックを作り上げてゆきたいと思っております。

長文読んでくださりありがとうございました。


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院長の安藤が歯科専門誌に執筆

デンタルダイヤモンド2006年11月号